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活動を充実させれば良いのか?
森のようちえんの保育活動は、地域の自然環境や周辺のさまざまな環境や施設(保育資源)を活用して行っています。幼い子ども時代に、直接的な体験や行動により地域の魅力に触れ、そこでの楽しい経験や喜びを感じること、また地域の人たちと交流することなどは、自己の存在を肯定的に、自覚すること無しに、良質な成長へと子どもを導いてくれます。一日一日の中で子ども自身が充実感を得ること、外的に充実感を得られるための行為を大人が与えること無く、さらに子どもが自身の領域で内面的な充足を作る機会が無ければ、主体としての自己の確立や認識を得ることは難しいでしょう。
私たち大人はさまざまな活動やプログラムを企画し、子どもたちに提
供し、そのことが教育活動として表面的には目につきやすくなります。
そして子どもに外的な刺激を与えることが子どもの成長にプラスになる
と考えています。しかし、その行為が本当に正しく常に働いているかを
疑うことはしませんし、活動を提供することの狙いや意味について考え
たり議論をすることの方が多くなりがちです。表面的に見える子どもに
施される行為の影響を、子ども側に真に立って見ることは難しいことで
す。
みっけのお泊まり保育を振り返れば、さまざまな活動を写真から見るこ
とが出来ます。濃密な、日常とは違った時間が連続し、子どもたちはそ
れを楽しんでいる表情が写っています。それだけに見る人に誤解を招く
可能性もあります。活動を充実させることが子どもにとって重要なこと
だと、日常にはない特別な活動を行い、それらをうまく提供することが良いことだと思い込ませてしまっているのかもしれません。
2020/08/31
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